プラセンタサプリは尋常性白斑に効果あり?

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肌の一部が白く抜けてしまう皮膚症状の「尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)」。

シミに並んで女性の肌の大敵といえるでしょう。

さて、この悩ましい皮膚症状である尋常性白斑はプラセンタサプリで撃退することができるのでしょうか。

尋常性白斑に関する情報を踏まえてお届けいたします。

尋常性白斑とは

尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)とは、後天性の皮膚疾患です。

皮膚の色の一部分の色素が抜ける症状で、そこだけ肌が白く抜けたようになるため「白斑」と言われます。

症状によっては、コイン大~手のひら大以上に白斑の範囲が広がり、進行が認められます。これは、難病や特別な症状ではなく、年齢・世代・男女問わず発症する疾患です。

皮膚の一部分が時間を追うごとに徐々に白く抜けていくので「気づいたら白くなっていた」と尋常性白斑に気付く方が多く見られます。

一時期、美白系化粧水を利用した方の間でこの症状が多発し、「薬用化粧品による副作用被害」が叫ばれるようになったことも記憶に新しいことでしょう。

老人性白斑という症状もある

老人性白斑(ろうじんせいはくはん)も尋常性白斑と同様に、皮膚の一部分が白く色抜けしてしまう症状です。

同様の症状ですが、所見が異なるため尋常性白斑とは別の疾患として診断を下します。老人性白斑の場合、皮膚にできる白斑の1つが米粒~小豆大程度でそれが、複数散見される状態になります。

ただし、老人性白斑の範囲は広がることはありませんし、1つの白斑の大きさが広がることもありません。

原因は尋常性白斑と同様解明されていませんが、加齢によるものと結論づけられることが大半です。

加齢が進むと上皮の色素細胞が減ると共に、細胞機能が低下します。

そのため肌の色を調整するメラニン色素まで減っていくために、白斑につながると考えられています。

病気ではあるが、健康には直接影響しない疾患

尋常性白斑も、老人性白斑も「病名」として成り立ってはいますが、悪性のものではありません。

健康に直接影響することも少なく、老人性白斑の場合には積極的な治療を行うことは少ないようです。

ただし、メラニン色素がない状態だと、紫外線を直接受けることになりますので皮膚障害をもたらしやすくなります。

もちろん審美的な観点から見ると、治療を促すことも考えられます。

後述しますが、尋常性白斑に悩む方の中にはまれに「自己免疫疾患」や「甲状腺疾患」が認められることがあるので、気になる方は詳しい検査を行うことをおすすめします。

尋常性白斑が発生する原因

尋常性白斑が発生する原因を解説します。

表皮の中には肌を守るために存在する「色素細胞(メラニン色素を作る細胞)」が消失することで、皮膚が白く見える尋常性白斑が発生します。


実は、色素細胞がどうして消失するのかといった原因が明らかにされていません。

原因究明の研究がなされている最中で、現状では「色素細胞に対抗する自己抗体が発生し、色素細胞を攻撃した結果、尋常性白斑が起こる」という説と「神経の異常に寄って起こる皮膚障害」などという説があります。

この他、「皮膚における活性酸素を除去する機能が衰えてしまい、色素細胞が破壊される」といった見方もあるようです。

様々な説が唱えられていますが、学術的な解明は未だなされていません。

プラセンタは尋常性白斑に効果がある?

プラセンタには、肌の成長を促すほか、女性らしさを整えといった事柄が期待できるEGFと呼ばれる上皮成長因子が含まれています。

そのためプラセンタは尋常性白斑の治癒に一定の効果があると言われています。

ただし、私たちが普段利用できるプラセンタは、胎盤抽出液を加熱・分解した「サプリメント」です。

健康補助食品という位置付けですので「直接尋常性白斑の治療」とは結びつくものでは無い点は注意が必要です。

医療機関での治療は?

皮膚科で行われる尋常性白斑の治療は、一般的にステロイドやビタミン剤を用いた外用療法が用いられます。

また、中波長と呼ばれるごく狭い周波数の紫外線を照射する「ナローバンドUVB療法」によって治療を進めることが一般的です。

症状によっては、手術によって表皮の移植を行うほか、タニング剤と呼ばれる着色剤を皮膚に塗布し、着色効果によって白斑を目立たなくする対症療法が選択されることもあります。

補助的にプラセンタを摂取するならどうなのか

医療機関での治療法を踏まえると、高度な治療方法が選択されることが多いようです。

ただし、プラセンタに含まれるEGFによる皮膚再生効果は注目したいところです。

「治療目的」ではなく、治療効果を促すために補助的に摂取することにシフトさせると、よい方向へことが進むかもしれません。

もちろん、私たちが一般的に購入できるプラセンタはサプリメント(食品)ですので直接の効果は期待できませんが、身体の調子を整え、尋常性白斑を軽快または治癒に向かうためのベース作りには功を奏すのではないでしょうか。

プラセンタサプリと注射、どちらがおすすめ?

尋常性白斑の治療に対して、「補助的にプラセンタを用いることも一案」という流れを説明してまいりました。

ここで気になるのが「プラセンタ注射」の存在ではないでしょうか。美容外科などではアンチエイジング目的でプラセンタ注射を施すところも存在しています。

また、プラセンタサプリと比べると、尋常性白斑の治りが早いかもしれないと考えることもあるでしょう。

プラセンタ注射とは

医療用医薬品であるプラセンタ製剤を直接注射する方法です。

産婦人科や内科クリニックでは、更年期障害の治療や、肝機能障害の治療に用いられます。

プラセンタ製剤は「組織療法」製剤としても紹介されており、抗疲労作用や、創傷治療促進作用等が認められるため、アンチエイジングや疲労回復といった目的で、注射を行う美容クリニックも存在しています。

ただし、尋常性白斑の治療としてプラセンタ注射を行うことは、現時点での日本の医療では慎重さが求められるようです。

海外では、プラセンタが白斑治療に功を奏しているという論文も発表されているようですが、日本では白斑治療のためにプラセンタ製剤を用いることは認められておりません。

何よりも国内の尋常性白斑患者においてプラセンタが有効であるか否か、検証がなされていない状態ではないでしょうか。

プラセンタ注射に使われる製剤は、ヒト由来胎盤抽出物(ヒト胎盤繊毛分解物)であり、特定生物由来製品として指定されているため、法律によって医療機関においては患者への説明や記録の保存が求められています。

医師・薬剤師に相談しながら使いましょう

尋常性白斑という疾患を治療するベースとして、安全面での観点からはサプリメントを利用することがよさそうです。

ただし、医師や薬剤師によっては、プラセンタサプリの併用に関して否定的な見解を持つ方も見られます。

尋常性白斑を治療する際には、医師の治療を優先させながら、サプリの併用を検討していくことをおすすめします。

まとめ


尋常性白斑は皮膚疾患です。治療に関しては医師の見解を優先させながら進めていきましょう。

プラセンタサプリの利用や治療目的でのプラセンタ注射に関しては、医師への相談を優先させ、安易に用いないことをおすすめします。

 

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