ビタミンの種類によって、効果が違う?美容目的によってビタミンを選ぼう!

「ビタミンって大事」このことは分かっている人は多いけれど、ビタミンの働きを具体的に説明できる人は多くはないと思います。
ビタミンは、生命を意味する「VITA」が語源です。
それほど私たちの生命維持活動にとって大切なものと言えるのです。
それに当然のことですが、ビタミンは健康の先にある美容にも深く関わっています。
ビタミンは、全部で13種類。
脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに大別されます。
脂溶性ビタミンは油脂やアルコールに溶けやすく、身体に蓄えられるので、過剰に摂取した時の過剰症には注意が必要です。
水溶性ビタミンは、水に溶けやすく、過剰分は尿として排出されてしまう場合が多いので、逆に毎日こまめに摂取することが大事です。
ここでは、ビタミンの働きから裏話まで、ビタミンについて詳しくお伝えします。
ビタミンの働きとは?~脂溶性ビタミン~
1. ビタミンA
「夜盲症、とりめ」という言葉をご存知ですか?
これは、暗くなると目が見づらくなるという病気なのですが、ビタミンAの不足によって引き起こされます。
というのも、ビタミンAは、目が光を感知するための物質「ロドプシン」の元となるから。
その他にも、皮膚や粘膜を保つ働きがあります。
よって、ビタミンAが不足すると粘膜が弱くなるので、感染症になりやすく、乾燥肌にもなりやすく、爪ももろくなるので注意してください。
ビタミンAは、別名レチノールと呼ばれますが、美容に少し詳しい方ならこの名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
そう、化粧品によく含まれている成分ですよね。
身体やお肌を錆びさせない抗酸化作用があるため、しわやシミなどを防いでくれます。
また、ビタミンA はその抗酸化力から、ガンの発生を抑え、悪玉コレステロールも減少させると報告されている、美容、健康に欠かせない成分なのです。
ビタミンAが含まれている食品は、アンコウ肝、鶏、豚、牛のレバー類、モロヘイヤ、ニンジン、スイカなどです。
2.ビタミンD
ビタミンDは、日光に当たると、体内合成される成分です。
「日光に当たると日焼けするからイヤ」という方も、普通の日常生活をしていれば日光を完全には避けられないので、ビタミンD不足は大丈夫でしょう。
ただし、高齢者や妊婦さん、日照時間の短い地方の方々は、ビタミンDが足りない場合もあるので注意が必要です。
環境省では、1日1回平均的な食事をしたうえで、手の甲に約15分(日向)と約30分(日陰)日に当たるとビタミンDが合成されるとしています。
ビタミンDの仕事は、カルシウムやリンの吸収を助け、丈夫な骨を作ったり、それを維持したりすること。
特に、妊婦やお乳をあげているお母さん、5歳までのお子さんには、ビタミンDは健やかな骨の成長のために必要です。
ニシンの燻製や紅シャケ、ピータン、卵、きくらげなどに多く含まれています。
3.ビタミンE
ビタミンEも、トコフェロールという名で、化粧品に配合されています。
抗酸化作用があり、身体の酸化を防いでくれるので、アンチエイジングになる上に、シミ、そばかすにも効果を発揮します。
ビタミンEは、血行も促進するので冷え症や肩こりにも効果抜群!
そして、女性ホルモンの分泌を促すので、月経前のPMSや生理不順などに良いでしょう。
ウナギのかば焼き、西洋カボチャ、アーモンド、ひまわり油に多く含まれます。
4.ビタミンK
出血すると、自然に血が止まる作用。
これは、ビタミンKのおかげです。
また、血液を凝固も抑制する働きもしており、状況に合わせて正反対の性質を使い分けています。
カルシウムが骨から出ていってしまうのを抑えてくれるので、女性に多い骨粗しょう症を防ぐのに必要なビタミンです。
ビタミンKは、食べ物で摂取する以外に、腸内細菌でも作られるので、腸内細菌が少ない新生児、抗生物質を服用している人などは、不足することあります。
あしたば、おかひじき、納豆、岩ノリなどに多く含まれます。
ビタミンの働きとは?~水溶性ビタミン~
1. ビタミンC
ビタミンCの抗酸化作用は、正におりがみつき!
お肌のシミを作る原因物質「メラニン」を、まとめて一人で生成抑制、排泄、還元する効果を持ちます。
そのため、化粧水、美容液、クリームなど多くの美白化粧品にビタミンCが入っているのですね。
美容液などに記載されることが多い名前は、「リン酸アスコビルMg」です。
しかも、お肌のはりに必要不可欠なコラーゲンを作る働きもあるのですから、本当に大切なビタミンです。
ビタミンA、ビタミンEと一緒に摂ると、さらに効果的でしょう。
ビタミンCと次に続けて紹介するビタミンB群が欠乏すると、肌のターンオーナーが正常に行なわれなくなり、ニキビなど肌トラブルにも発展してしまいます。
また、ビタミンCは、ストレスの対抗するホルモン「アドレナリン」を作る材料ともなるので、ストレスが多い現代人にビタミンCはぜひ摂取してほしい栄養素です。
パプリカ(赤、黄)、菜の花、アセロラ、柿に含まれます。
2.ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えてくれるのに役立つ栄養素で、ダイエットの味方!
また、神経を正常に働かせる役割があるので、十分な量を摂取すると、集中力と記憶力がアップしたという研究結果もあります。
ここから、ビタミンを取ると頭が良くなるという都市伝説が生まれたらしいです。
ウナギのかば焼き、たらこ、豚ひれ、生そば、玄米などに含まれます。
3.ビタミンB2
資質、糖質、タンパク質をエネルギーに変える仕事を助けているのが、ビタミンB2。
口内炎や肌荒れ、吹き出物に悩む女性は多いと思いますが、これはビタミンB2不足の可能性があります。
というのも、皮膚や髪の成長を促すのも、ビタミンB2の仕事だからです。
ウナギのかば焼き、豚レバー、モロヘイヤ、納豆などに含まれます。
4.ビタミンB6
たんぱく質を分解するのを助けながら、「アドレナリン」、「ドーパミン」、「セロトニン」など大切な神経伝達物質を作る手助けもしています。
免疫力をアップさせるので、花粉症やぜんそくの人は注目のビタミンです。
また、ビタミンB6は、ホルモンのアンバランスさも整えてくれるので、PMSの症状を和らげてくれるでしょう。
サンマ、牛レバー、パプリカ(赤)、バナナ、玄米などに含まれます。
5.葉酸
妊娠したことがある方には、おなじみの栄養素かも知れませんね。
遺伝子情報を操る「核酸」を作るのに欠かせないビタミンだからです。
意外かもしれませんが、実は葉酸もビタミンの1種で、ビタミンB群の仲間です。
さらに、赤血球を作る補酵素ともなります。
菜の花、枝豆、モロヘイヤ、ライチ、アボガドなどに含まれます。
9.ナイアシン(ビタミンB3)
ナイアシンには、色々な働きがあります。
血行促進、皮膚の健康を守る、コレステロール、中性脂肪の分解、脳神経の働きをスムーズにするなどです。
タラコ、春ガツオ、鶏むね肉、ひらたけなどに含まれます。
10.パントテン酸(ビタミンB5)
免疫力をアップし、善玉コレステロールを増やしてくれます。
また、パントテン酸は、「抗ストレスビタミン」とも呼ばれます。
なぜなら、ストレスに対抗するホルモンを出す副腎皮質に働きかけるから。
名前の由来は、ギリシャ語の「広くいたる所にある」。
その通り、色々な食品に含まれ、不足することはまず考えられません。
鶏もも肉、レバー類、ウナギのかば焼き、銀シャケなどに多く含まれます。
11.ビタミンB12
葉酸と共に、赤血球の生成の手助けをします。
その名も別名「赤いビタミン」。
ビタミンB12は、食品から摂取する以外に、腸内細菌でも作られます。
シジミ、サンマ、レバー類に含まれます。
12.ビオチン(ビタミンH)
ビオチンは、皮膚と髪に大きな影響を与えるビタミンです。
摂取すると、アトピー性皮膚炎、脱毛、白髪などにも効果があると言われています。
イワシ、レバー、卵に含まれています。
このように、ビタミン類はどれ一つとっても私たちの健康と美容に欠かせない栄養素なのです。
ビタミンのちょっとした裏話
ビタミンU、ビタミンPなどお店のサプリメントのパッケージなどで見かけたことがある方もいらっしゃるでしょう。
でも、正式なビタミンは13種類。
ではビタミンUなどは、一体何者なのでしょう?
答えは、「ビタミン様物質」。
ビタミンに近い働きをしたり、ビタミンの働きを助けたりする成分にも「ビタミン」という名がつけられているのです。
正式なビタミン13種類以外にも、色々な栄養素が助け合って、私たちの健康も美容も作られています。
バランス良く摂取しましょう。
それから、「ビタミンD、Eがあるのに、F、Gがないのはなぜ?」と思ったことがありませんか?
これは、新しいビタミンが発見されるたびアルファベットの名前をつけていったら、既にあるものだったり、ビタミンとして定義するのにふさわしい成分ではなかったりして、消されていったからなのです。
まとめ
ビタミンの働きを見ていきましたが、いかがだったでしょうか?
それぞれ働きが違うのですが、自分に足りないと思ったビタミンは美容目的でも、健康目的でも積極的に取りましょう。
ただし、普段の食事ではあまり心配することはないのですが、過剰摂取は内臓の機能障害なども引き起こしますから、サプリメントなどは適切な摂取量を守ってくださいね!
ライター名:megenai
30歳をこえてからひどい敏感肌になりアトピー性皮膚炎を患う。そこから美容、健康に関心を持つ。
ライターとして困っている女性に有益な情報を届けたいと日々勉強中。趣味は童話制作。