ベジブロスって何?効果は?

料理をするときに必ず出てしまう生ゴミ、もったいないですよね。
野菜のかけらなどの生ごみを堆肥にしたり、乾燥させてからゴミに出したりと工夫している人は多いと思われます。
実は何も使い道がなくてゴミにしかならないと思っていた野菜くずが、栄養豊富なスープに大変身することはご存知ですか?
今回は、野菜くずを使ったスープ、ベジブロスについてご紹介します。
べジブロスとは
野菜を調理するとき、食べにくい部分を取り除きますね。
人参は皮を剥きますし、ピーマンはヘタをとります。
剥いた皮、とったヘタ、きのこの軸、根っこなどは、そのままキッチンのゴミ箱へというのが今までの流れでした。
ベジブロスは野菜のくずでとったスープのことをいいます。
vegetable(野菜)とbroth(だし汁)を合わせた言葉です。
くずのような小さい野菜でも、いろいろな野菜をほんのちょっとずつ集めれば、野菜の出汁をとることができるということなのです。
作り方はとても簡単です。
両手いっぱいの野菜の切れ端をよく洗ってから、20~30分の間煮るだけです。
料理用のお酒を入れる人もいます。形が崩れないように弱火で煮ましょう。
取れた出汁は美味しそうな黄金色をしています。
ベジブロスの味わいは、魚や肉からとった出汁よりもとてもまろやかで、クセがありません。
和風、洋風、中華風などどのような料理とも相性が良いことが特徴です。
ベジブロスは出汁なので、いろいろな料理に使えます。
例えばベジブロスとお米、エビ、スイートコーンなどをバターで炒めて、コンソメスープの素も加えて一緒に炊飯器で炊けば美味しいピラフが完成します!
さらに、ベジブロスとコンソメ、玉ねぎを合わせればコクがあって奥深い味わいのオニオンスープが完成。
バゲットとチーズも一緒に盛り付ければ本格的なオニオンスープになります。
他の野菜スープにも、ベジブロスをプラスすれば味がよくなり、ワンランク上の一皿になりますよ。
おなじみのインスタントラーメンにもベジブロスをプラスすると、栄養価がアップします。
ベジブロスを容器に入れて冷蔵庫に入れれば一週間ほど保存できますが、製氷皿に小分けして、冷凍しておけばいつでも使いたいときに使うことができますよ。
たくさん作って冷凍しておけば便利ですね。
べジブロスはどんな効果を持つ?
なんとなく、ベジブロスが体に良さそうな感じがしても、どこが良いのかわかりづらいですよね。
ベジブロスはファイトケミカルという成分が豊富に含まれており、注目されています!
ファイトケミカルは、phyto(植物)と、chemical(化学物質)を合わせた言葉です。
そのまま訳すと、植物由来の化学物質という意味で、フィトケミカルとも呼ばれています。
植物は日々紫外線にさらされていますし、厳しい環境で生きています。
植物自身を守るために作り出した化学物質が、ファイトケミカルというわけです。
ベジブロスの含むファイトケミカルは、具体的にはポリフェノールやイソフラボンといった野菜が持っている成分です。
皮や、種など通常であれば捨ててしまうようなところに多いので、野菜くずを使ったベジブロスはファイトケミカルが豊富ということなのです。
ファイトケミカルは、抗酸化作用を持っており、日々私たちの体の中で作られてしまう活性酸素と戦ってくれたり、免疫力をアップさせたりなど嬉しい作用がありますよ。
野菜をたくさん食べるといいとは聞きますが、なかなか野菜ばかり食べるのも大変ではないでしょうか。
近年、野菜の価格は上がっていますし、そもそも野菜が苦手、たくさん買ってもなかなか食べきれないという人も多いでしょう。
ファイトケミカルは通常の野菜からも摂取できるのですが、ベジブロスだとかなり効率的に摂取できます。
野菜不足の人にも、ベジブロスはおすすめです。他の野菜料理を作るついでで良いので、ベジブロスを作りましょう!
また、ビタミンなど野菜の成分は加熱すると減ってしまうのでは?と思ってしまいますが、ファイトケミカルに関しては加熱すると野菜から溶け出すという仕組みです。
そのため、ファイトケミカルを摂取したい場合は野菜ジュースを飲むよりもベジブロスを食べたほうが効率的と言えます。
そもそも、捨てられそうになっていた部分ですから、ビタミンが壊れることはあまり気にしなくていいかもしれません。
それよりも、ファイトケミカルを豊富に含むのに、今まで捨てていたということが驚きですし、もったいないです。
べジブロスに向いている野菜、向いていない野菜とは
ベジブロスに使う野菜は基本的にはなんでもいいのですが、向かない野菜も幾つかあります。
例えば、玉ねぎの皮です。
玉ねぎの皮は苦味が出てしまうので、ベジブロスを作っても美味しくありません。
ただし、少量入れる分には色味付けになるので、少量入れるぶんには構いません。
黄金色を強くしたい時は玉ねぎの皮を少し入れてみましょう。
また、キャベツとカリフラワー、ブロッコリーの芯もNGです。
加熱すると苦味が出るためです。
煮すぎたキャベツの煮物がなぜか苦いと思ったことはありませんか?
キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーはもともと苦味があり、煮出してしまうとより苦味が出てしまうのでベジブロスにたくさん入れることは止めましょう。
かぼちゃの種や、ジャガイモの皮も、おいしいベジブロスには向かないので注意しましょう。
ジャガイモは緑色になってしまった皮は絶対に使わないでください。
かぼちゃの種は、すっきりした色のベジブロスを目指すのであればおすすめできません。
かぼちゃの種、ワタを入れてしまうと全体が濁ってしまいます。
逆に、ベジブロスに入れると美味しくなる野菜としては、人参の皮とヘタ、しいたけの軸、トマトのヘタ、ネギの固いところ、セロリなどです。
キャベツの芯ではない部分は、入れてもいいのですが、入れすぎると苦くなります。
ナスなど色が付いているものは、ベジブロスにも色が移ってしまいます。
色移りが気にならない料理に使うのであれば、ナスの色を気にすることはないでしょう。
野菜の量がちょっと足りないかもと思った時は、野菜くずを冷凍してストックしておくこともできるのですが、昆布、いりこや、ローリエなど味が出るものと一緒に出汁をとるといいでしょう。
向き、不向きという問題の前に、まずは残留農薬を取り除いてください。
野菜の皮は残留農薬が残ってしまいやすい部分です。
もちろん、野菜を流通させる過程で洗浄をしているのですが、それでも気なる時はありますよね。
残留農薬を洗い流すには、水で洗う他、天然の重曹をとかした水に1分ほどつけてよくすすぐなどという方法があります。
土や汚れがついていないか、よく確認してからベジブロスにしましょう。
まとめ
今回は、話題のベジブロスの効果と作り方、活用方法などをご紹介しました。
ベジブロスは野菜くずで作った野菜出汁のことです。
そのままでもスープとして飲むことができますが、スープとして飲む以外にも、他の野菜スープに加えたり、ご飯と一緒に炊き込んだりなど、いろいろな活用方法があります。
たくさん作っておいて、製氷皿に凍らせておけばいつでも好きな時にベジブロスを味わえますよ。
今まで捨てていたものが、ベジブロスというファイトケミカル豊富な料理に姿を変えるなんて驚きですね。
ベジブロスを作る時は、無農薬野菜を使うか、よく洗うなどして残留農薬についても気を使うとベストです。
ベジブロスで、ファイトケミカルをチャージしましょう!
名前 いでさや
元システムエンジニア。結婚を機に田舎へ引っ越すことになり、現在は育児の傍ライターとして文章を書いています。