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とろろ昆布は身体に良い?悪い?隠されたダイエット効果について

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お吸い物やかけそばの上にちょっとのせるだけで、ぐっと味に深みがでるとろろ昆布。

とろろ昆布は地味な見た目ですが、実はかなり栄養価が高いのです。

それに、痩せたい方には嬉しいダイエット効果もあります!

でも、とろろ昆布ダイエットをしている方、興味のある方においては、気を付けなければいけないことが一つあるのでご注意を!

その注意点が、昆布類が身体に悪いとイメージを持たれてしまう所以です。

それさえ気を付ければ、とろろ昆布は、とても身体に良い優れた食材なのです。

ここでは、地味だけどすごい「とろろ昆布」の実態にせまります。

とろろ昆布とは何?どうやって作られるの?

とろろ昆布は、昆布を酢で浸して柔らかくし、ブロック状に押しつめたものを機械で0.02ミリほど細く薄く削って作ります。

以前は、手で削っていました。

今では、ほとんどが機械で削られます。

手で削られたものは、口の中でとろける感触も風味も一味違いますから、機械で削られたものより、やはりずっと高価です。

昆布を削った場所によって、白とろろ、黒とろろと分けられ、甘みが強い芯の部分を削った白とろろは、上等品と言われています。

とろろ昆布の原料となる昆布は、北海道で取れる真昆布や利尻昆布など、高級料理の出汁として使われる昆布たちです。

とろろ昆布はダイエットの効果を持つ?

一時期有名になった「とろろ昆布ダイエット」。

女性芸能人も挑戦していましたね。

本当に効能があり、その根拠はあるのでしょうか?

結論から申しましょう。

とろろ昆布は、ダイエットに効果的です。

なぜなら、とろろ昆布は、脂肪と糖の吸収を抑えてくれる「アルギン酸」と「フコイダン」が豊富に含まれているからです。

昆布のぬるぬる成分と言ったら、すぐ分かるでしょうか?

あれは、実は水溶性の食物繊維(アルギン酸)と粘質多糖類(フコイダン)なのです。

<アルギン酸とフコイダンの働き>
・善玉菌のエサになり、腸の動きを活発にする。
・悪玉菌の力を抑える
・脂質に吸着して、身体に蓄積されるのを抑える。
・糖分の消化吸収を穏やかにしてくれる。
・便秘を和らげる。
・繊維質がお腹の中で膨張して、食べ過ぎを防ぐ。

しかも、0.02ミリの薄さのとろろ昆布は、普通の昆布よりも食物繊維が多く溶け出すので、脂肪を排出するパワーがすごいのです。

腸内環境が整って、便秘が解消されれば体重も減りますし、食欲や糖と脂肪の吸収を抑えてくれる上に、カロリーはほんのわずか。

確かに、ダイエットの心強い味方です。

そして、昆布やひじきなどの褐藻類にしか含まれない稀少成分「フコキサンチン」。

「フコキサンチン」は、カロテノイド(光合成を補助したり、抗酸化の作用を持つ)一種で、遺伝子レベルで脂肪燃焼を促すことが、近年の研究で分かってきました。

最後に、忘れてならないのは昆布類に格段に多く含まれているミネラル、「ヨード(ヨウ素)」。

ヨードは、甲状腺ホルモンをつくる成分で、この甲状腺ホルモンは、交感神経を刺激します。

するとどうなるかというと、タンパク質や糖質、脂質の代謝が活性化され、基礎代謝が上がるのです。

他にも身体に良い成分が?とろろ昆布のすごい成分

まず、先ほどの「アルギン酸」ですが、ダイエット効果の他に、ナトリウムと結合して排出するため、血圧を下げる効果や血糖値の上昇を抑える効果、動脈硬化を予防したり、消化酵素の働きを良くしたりする効果があります。

「フコダイン」は、「ぺパリン」という血液凝固抑制薬と同等の血栓予防効果があり、コレステロールや中性脂肪、血糖値の値を低くし、抗アレルギー成分でもありますし、抗がん作用、血圧低下にも一役買います。

また、「海の野菜」と呼ばれる昆布は、ビタミン、ミネラル、カルシウムなど、私たちの健康に欠かせない成分がたくさん含まれています。

ビタミンAは牛乳の39倍、ミネラルは23倍、カルシウムは7倍という数字を出すと分かりやすいでしょうか。

ミネラルにおいては、主要ミネラル(1日の摂取量が100ミリグラム以上)と微量ミネラル(一日の摂取量が100ミリグラム未満)のほとんどを含んでいます。

そして、「ラミナラン」という成分は、βグルカン(霊芝、アガリクスなどに含まれる多糖類)の一種なのですが、血栓、腫瘍、高血圧を防ぐ作用があります。

味に関する成分は、何といってもうま味成分「グルタミン酸」でしょう。

出汁は、もはや世界中に知られている誇らしい日本文化です。

もう一つ、忘れてはいけないうまみ成分があります。

それは、「マンニトール(マンニット)」。

乾燥した昆布の表面に白い粉がついているのを見たことはないでしょうか?

白カビのようにも見えますが、匂いを嗅いでかび臭くなければ、それは「マンニトール」と呼ばれるうまみ成分です。

もちろん、とろろ昆布の中にも入っています。

グルタミン酸と同じくらい、良い出汁の素となってくれるので、白い粉を落としてしまわないようにしましょう。

とろろ昆布を食べる時の注意点とは?

先ほど、とろろ昆布に含まれるミネラルの一種である「ヨード(ヨウ素)」について少し触れました。

とろろ昆布ダイエットをしたり、毎日とろろ昆布を食したい方には、この「ヨード」について気を付けていただきたいのです。

ヨードは、確かにお子さんにとっては身体の発育や脳の発達に不可欠な成分であり、大人にとっても、不足するとだるさを感じたり、疲れやすくなったりする身体に重要な成分です。

美容面でも、髪や爪を美しく保ってくれたり、基礎代謝も高めてくれますから、ダイエットにも良いでしょう。

しかし、海に囲まれた私たち日本人は、出汁や料理などで昆布や海藻を食す機会はたくさんありますので、ヨードが不足する心配はあまりないのです。

ヨードを過剰摂取するとどうなるかというと、人によっては「甲状腺機能低下症」になる場合があります。

甲状腺機能低下症とは、甲状腺のホルモンが作られず、働きが低下してしまう病気で、だるい、皮膚が乾燥する、便秘をする、無気力、汗をかく量が少なくなる、耳が聞こえにくくなるなどの不調を起こします。

「え?低下?過剰摂取だから、増えすぎるのではないの?」

こう思われた方もいらっしゃるでしょう。

ヨードは、甲状腺ホルモンの材料になるのですが、過剰に摂取し過ぎると、身体の働きによって甲状腺ホルモンが作られ過ぎないように抑制されてしまうのです。

しかし、健康な甲状腺をお持ちの方はあまり心配いりませんし、一時、とろろ昆布を食べすぎたという方も、心配ないです。

ヨードが余分に身体に入っても、健康ならば排出される仕組みがあるからです。

気を付けていただきたいのは、甲状腺に異常をお持ちの方と、とろろ昆布などを毎日大量に食べている方です。

とろろ昆布ダイエットをしていて毎日大量に食べている方は、甲状腺が健康でも、悪影響が出る可能性が高いと言えます。

とろろ昆布で言うと、1日の摂取量の上限は10グラムであり、1回の食事で取れるのは約3グラムです。

これは、昆布になじみのある食体験をしている日本人の体質だからこその量であって、個人差がある上に、やはり毎日食しては過剰摂取になる数字だということを覚えておいてください。

それに、和食ではのり、ワカメ、イワシ、サバなどヨードが含まれる他の食材も食する機会が多いです。

日本人のヨードの上限摂取量は、その食体験から1日に3ミリグラムと必要量の1日0.15ミリグラムよりもただでさえ高く設定されています。

乾燥昆布は、10グラムで10~40ミリグラムのヨードを含むので、10グラム摂ると、すでに3倍くらいのヨードを摂取することになります。

あまり心配はいりませんが、とろろ昆布ダイエットをしている方は、10グラムをはるかに超えた極端な量を食べがちですので、注意してください。

身体に異常を感じたら、とろろ昆布の摂取を控え、医師の診断を仰ぎましょう。

もう一つの懸念、ヒ素中毒について



2004年、イギリスの英国食品企画庁が「ヒジキに含まれるヒ素がガンを誘発するので、ヒジキを食べないように」という注意勧告を発表しました。

記憶に残っていて、ヒジキも昆布も同じ褐藻類の仲間だから、と心配されているかもいらっしゃるのではないでしょうか。

昆布に含まれるヒ素は、「有機ヒ素」という毒性のないものです。

しかも、ヒ素自体の含有量も昆布はとても少ないと言われています。

このように、原料の昆布が安全ですので、とろろ昆布も安心して食べられますね。

決して、昆布類は身体に悪いわけではないのです。

まとめ

とろろ昆布には、様々な有効成分が含まれており、健康に良いことが分かりました。
そして、ダイエット効果にもきちんとした根拠がありましたね。

しかし、とろろ昆布ダイエットをする時には、ヨードの過剰摂取に注意です。
それさえ気を付ければ、美味しい、簡単、栄養ばっちりの身体に良い素晴らしい食材でしょう。

毎日とろろ昆布を食している方で、最近だるい、疲れやすいと感じている方は、とろろ昆布の摂取を控え、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。

ライター名:megenai
30歳をこえてからひどい敏感肌になりアトピー性皮膚炎を患う。そこから美容、健康に関心を持つ。
ライターとして困っている女性に有益な情報を届けたいと日々勉強中。趣味は童話制作。

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