乳液の種類と正しい乳液の塗り方について

毎日のスキンケアには欠かせない乳液ですが、「正しい塗り方」ということまで意識していない方が多いのではないでしょうか?
しかし、せっかく乳液を買って塗るのであれば、その効果を余すところなく肌に与えたいですよね。
そこで乳液の種類や正しい塗り方、そして効果を保つ保存方法までご紹介します。
乳液を塗る目的とは
日々何気なく塗っている乳液ですが、肌に対して3つの効果をもたらしてくれます。
角質層のうるおいを閉じ込める
まず角質層とは「角質細胞層、角層」とも呼ばれ、肌の表面にあるおよそ0.02㎜という薄さの層です。
それは角質細胞と細胞間脂質(セラミド)という2つの物質で構成され、うるおいを蓄えるのが角質細胞です。
化粧水で角質細胞に水分を与えたあとに、そのうるおいを閉じ込める役割をしているのが乳液です。
肌にどれだけ水分を与えたとしても、そのまま放置すると蒸発して肌の乾燥を招いてしまいます。
それを防止するために油分が1~3割程度含まれている乳液で、角質層にふたをすることでうるおいを保てるのです。
肌のキメが整う
角質細胞はレンガのような形をしており、それを固定するためのセメントに似た役割をしているのが細胞間脂質です。
しかし、角質細胞の水分が足らないと、きれいに整列しているはずの角質細胞が歪んだり、めくれたりすることでガサガサした乾燥肌になってしまうのです。
つまり、角質細胞に与えた水分を乳液でしっかりと保持することで、角質細胞と細胞間脂質が交互に規則正しく何層も重なりあう「ラメラ構造」が作られます。
ラメラ構造が綺麗に構成されていることにより、キメが整った美しい肌になるのです。
水分と皮脂のバランスを整える
もうひとつの重要な役割は、乳液の油分によって皮脂を調節して乾燥を防ぐことです。
皮脂が多いタイプの方は「乳液を塗るとベタベタするから嫌」と、敬遠する方もいるかと思います。
しかし皮脂が多い肌というのは決してうるおっているわけではなく、逆に肌の内部が乾燥している状態なのです。
それは肌の内部のうるおいが不足していることで、これ以上乾燥させまいと肌が自ら皮脂を分泌して守ろうとするのです。
このように肌の内部が乾燥しているのに、表皮は皮脂でベタベタな状態は「インナードライ」と呼ばれています。
つまり乾燥肌の方はもちろんのこと、皮脂が多い方も乳液を塗る必要があるのです。
乳液の種類について
普段何気なく使っている乳液ですが、保湿するためというイメージしか持っていない方もいるかと思います。
しかし乳液は保湿だけでなく、UVカット乳液とティント乳液という機能性を持った乳液が存在します。
保湿乳液
最も一般的に使われているタイプで、主に肌のうるおいを閉じ込めて保湿効果を持続するための乳液です。
商品によって油分の量に差があり、油分が多いと肌をよりしっとりとさせる効果があります。
また油分が少ないさっぱりタイプは、皮脂が多い方や夏場、仕上がりの好みによって使い分けることも可能です。
UVカット乳液
シミやシワ、たるみといった肌トラブルの原因となる、紫外線(以下UV)から肌を守る機能を持った乳液です。
UVカット乳液は日焼け止めクリームと同じように、SPFとPAの数値が表記されています。
SPFは紫外線のB波、PAはA波をを防止する目安になっており、数字が大きい、また+が多いとより紫外線をカットすることができます。
そしてUVカット乳液は日焼け止めの変わりになるので、「少しだけ外に出る」ときに重宝するアイテムになります。
ティント乳液
ティント乳液は肌色に近い色が付いているため、顔色をカバーする効果があるのが特徴です。
そのためファンデーションに近い使い方をすることができ、メイクを軽く済ませたいときに便利です。
またティント乳液は肌色カバーという目的が強いため、他の乳液よりも保湿効果は低いのが特徴です。
正しい乳液の塗り方と保存方法
乳液が持つ効果をご紹介しましたが、使い方を間違ってしまうと本来の効果を得られずに終わってしまいます。
正しい塗り方を知ることで、乳液が持つ力を最大限に引き出しましょう。
まず朝と夜にスキンケアをする際の順序は、「洗顔→化粧水→乳液」が基本になります。
そして「美容液」を使う場合は化粧水のあと、乳液の前に塗らなければ肌に浸透しにくくなるので注意してください。
また通常のスキンケアの中で「ある工夫」をプラスすると、スキンケアの効果がより増すポイントご紹介します。
化粧水が浸透するまで待つ
洗顔後やお風呂上りに化粧水を付けたとき、肌がまだ濡れている状態で乳液を塗ってはいませんか?
これは化粧水が角質層までに浸透していないまま、乳液でふたをしてしまっている状態です。
つまりうるおいを与えるために付けた化粧水が、あまり意味を成さなくなってしまうのです。
そこで化粧水を付けたあとに1~2分待って、肌に浸透したと確認してから乳液を塗るようにしましょう。
乳液を手で塗る方法
乳液は手で直接塗る、またコットンに出して塗るという2通りの方法があります。
まず乳液を直接手で塗る場合、乳液を手に出した直後に塗るるのではなく「手の熱で少し温める」ことがポイントです。
冷たいままではなく温めてから塗った方が、肌によく馴染むため保湿効果がアップします。
そして乳液はまず最も乾燥しやすい頬からあご、額、最後に鼻という順番で塗ると効果的です。
なぜなら額や鼻といった皮脂が出やすい場所を、一番最後にするとテカリにくくなりるからです。
乳液をコットンで塗る方法
コットンに乳液を付けたら、化粧水を付けるときと同じように「顔の中心から外側」に向かって優しく塗るようにしましょう。
またコットン自体が乳液を吸収してしまうため、手で塗る量よりも1.5倍ほど多めに出す必要があります。
もしも量が少ないとコットンが肌に引っかかる感覚があり、それが肌への摩擦や刺激になっているので注意しましょう。
特に乾燥しやすい部分は重ね付け
乳液を塗る量は商品ごとに指定されていますが、実際に肌に塗ってベタつかず、適度なうるおいを感じるくらいが適切な量です。
しかし特に乾燥しやすい場所は、乳液を指先に少量を出して重ね付けするとより保湿効果が上がります。
頬や目の周り、口元などを、指先で優しくパッティングする感じで、叩いてしっかりと馴染ませてください。
乳液の正しい保存方法
乳液を長持ちさせようと「冷蔵庫で保管する」という方がいますが、それは間違った保存方法です。
もしも乳液を冷蔵庫で保管した場合、配合されている水分と油分が分離してしまいます。
水と油という本来交じり合わないものを、撹拌して「乳化」させているものが乳液です。
時間が経過すると共に分離していくものですが、冷蔵庫の出し入れによる急激な温度変化が分離を早めてしまうのです。
つまり「直射日光が当たらない場所」や「高温多湿は避けて常温保存」という乳液に表記されているのが正しい保存方法といえます。
また乳液に限らず市販されている化粧品には、パラベンなどの「防腐剤」が配合されており腐ることは少ないです。
しかし手に取ったものを再度容器に戻したり、フタを閉め忘れたりすると、手の雑菌の繁殖、劣化や酸化という状態の変質が起きることがあります。
そのような化粧品でケアをすると、逆に肌トラブルが起きる可能性も考えられます。
化粧品は正しい保存方法と、手の雑菌を付けないことで、良い状態をキープしながら使い続けることができるのです。
まとめ
知っているようで知らない、正しく効果的な乳液の塗り方、お分かりいただけたでしょうか?
乳液の塗り方もそうですが保存方法にも気を使うことで、最後までより効果的に乳液を使うことができます。
今まで何となく塗っていた乳液が、塗り方を変えるだけで効果が違ってくるかもしれません。
そして肌の状態に合わせて塗る量を調節し、より乾燥を防ぐための工夫をぜひ試してみてください。
ライター名:mitsugu
オリジナルのメディアサイト運営者、兼新米Webライター。
分かりやすく読みやすい記事を読者様にお届けするため、日々勉強中です。