肌の乾燥を食べ物で対策するには?春・夏・秋・冬で違いはあるの?

紫外線対策や肌の保湿といったスキンケアは抜かりなくやっていても、乾燥がなかなか改善しないという経験ありませんか。
実は肌の乾燥対策はスキンケアだけでは足りず、生活習慣や身体の内側の状態にも気を配る必要があるのです。
その中でも食生活は肌の健康と密接に関係しているため、バランスの取れた食事は美肌への近道といえます。
そして乾燥は1年中起こり得るものなので、食べ物による乾燥対策を季節別にご紹介します。
肌が乾燥する原因
肌が乾燥している状態とは、皮脂や水分が不足することでうるおいが失われている状態のことです。
その皮脂や水分を保つ働きをしているのが、肌の表皮の外側にある「角質層」です。
角質層には水分を保って蒸発を防いだり、外部からの刺激から肌を守ったりする「バリア機能」という働きを持ちます。
バリア機能とは皮脂膜と角質細胞間脂質(セラミドなど)、アミノ酸などの天然保湿因子(NMF)で構成されています。
特に重要なのが天然保湿因子(NMF)と角質細胞間脂質で、肌の水分や皮脂を閉じ込めている「うるおいを保つ素」です。
つまり角質層のバリア機能が正常に働かない「無防備」な状態であるため、肌の乾燥が起こってしまうのです。
そして肌のバリア機能の働きが低下する原因は、肌の新陳代謝である「ターンオーバー」が正常に行われないことにあります。
すなわちターンオーバーが乱れてしまう原因を改善することで、肌の乾燥を防ぐことにつながるのです。
それが起こる原因はエアコンや外気の乾燥、ストレスや食生活などの生活習慣、紫外線によるダメージ、加齢といった理由があげられます。
このような原因があるということは、肌の乾燥は冬に限らず一年中起こり得るといえるのです。
乾燥に効く栄養素とは
空気の乾燥や紫外線は、保湿や日焼け止めなどのスキンケアさえしていれば安心と思われがちです。
しかし身体の内側を食べ物で綺麗にすることで、肌本来が持つバリア機能を高める方が乾燥知らずの美肌に近付けるといえます。
乾燥の改善に働く代表的な栄養素は、たんぱく質、ビタミンB2・B6、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCなどです。
・たんぱく質・・・肌のうるおいを作る天然保湿因子の素になるアミノ酸や、コラーゲンの素になる重要な栄養素。主に肉、魚、豆類、乳製品に含まれる。
・ビタミンB2、B6・・・美肌ビタミンと呼ばれ、ターンオーバーの働きの促進し、肌の健康を守る働きをする。
・ビタミンとA・・・動物性のレチノールと植物性のβカロテンがある。
肌のターンオーバーを活発にし、天然保湿因子の生成を促して肌のうるおいをキープする。
・ビタミンE・・・血流改善効果により、肌のバリア機能が高まる効果がある。
・ビタミンC・・・肌のうるおいや弾力を保つコラーゲンの生成を促進する、抗酸化作用により肌のダメージを防ぐ。
たんぱく質を取ることは肌だけでなく、身体にとても必要な栄養素なので欠かさず取ることが重要です。
そしてビタミン類は主に野菜や果物、魚類などから取る必要があるのですが、旬の時期に食べると味だけでなく「栄養価も高い」と言われています。
そこで次からは季節ごとに、美肌効果を得られる旬の食べ物をご紹介します。
乾燥に効く食べ物~春~
乾燥が起こるのは冬が圧倒的に多いと思われがちですが、春は意外と肌にダメージを与えやすい季節です。
まず湿度は冬と変わらず低いままであること、天候によって気温差が激しいため体温調節を司る自律神経に影響を及ぼします。
自律神経が乱れるとイライラや不眠といった、ターンオーバーが正常に行われない原因を作りやすくなるのです。
また過ごしやすい気温であるため外出が増える時期ですが、夏に負けないくらいの紫外線量が降り注ぐのが春という季節の特徴です。
そして春が旬の食べ物の中で、乾燥に効果的な食べ物は以下のものがあげられます。
ビタミンCを多く含むのは「イチゴ、菜の花、春キャベツ、セリ」などです。
そして5月頃が旬の「そら豆」は、ビタミンC以外にビタミンB2とたんぱく質を含んでいます。
また1年で旬が春と秋で2回ある「カツオ」は、ビタミンB6がとても豊富に含まれるおすすめの食材です。
そして獲れる地域が限られているのですが、3月~5月が旬の「ほたるいか」はビタミンA(レチノール)が豊富な食べ物です。
乾燥に効く食べ物~夏~
6月以降は雨が多くなってジメジメし、それ以降は気温の高い夏がやってきます。
夏は強い日差しによる「紫外線ダメージ」と、暑さを乗り切るための「エアコン」によって肌の乾燥が起こりやすくなります。
特にエアコンが夏の肌には大敵で、汗をかいた状態で乾いたエアコンの冷気を浴びると、肌のうるおいが汗と一緒に蒸発してしまうのです。
また夏バテで食欲がなくなる時期なので、偏った栄養バランスになることも乾燥の一因といえます。
そこで夏に積極的に食べて欲しいのはビタミンB2が多い「ウナギ」で、スタミナを付けるだけでなく肌のためにも効果的な食べ物です。
夏が旬の食べ物でおすすめなのは、ビタミンCが豊富な「パプリカ、モロヘイヤ、ゴーヤ、すだち・かぼす」です。
ビタミンCは水と熱に弱いので、生で食べられるものはそのまま、火を通す場合は短時間で手早くやることがポイントです。
そして初夏の6月~7月に旬を迎えるのが川魚の「あゆ」で、動物性のビタミンAであるレチノールが豊富に含まれています。
乾燥に効く食べ物~秋~
季節の変わり目である秋は気温差が激しく、春と同じような原因で肌の乾燥を招くことがあります。
また夏に受けた紫外線のダメージは肌に蓄積されるため、秋は早めの乾燥対策が必要になります。
そして「食欲の秋」といわれるように秋に旬を迎える食べ物は多く、美肌効果が高い食べ物も含まれています。
夏バテから解消されて食欲が出始める頃なので、美肌効果のある食べ物を積極的に取るようにしましょう。
まず良質なたんぱく質とビタミンEを含む「大豆」は、秋から冬が旬といわれています。
そして旬が2回ある秋の「戻りカツオ」と秋の味覚「さんま」は、ビタミンB6が豊富な上に脂もよく乗っているおすすめの食べ物です。
また秋の味覚の一員である「サツマイモ」は、秋若返り効果が高いと言われるビタミンEが豊富です。
ビタミンCが豊富な秋の食べ物は「ブロッコリーと柿」で、秋が最も美味しく食べられる季節といわれています。
乾燥に効く食べ物~冬~
冬に肌が乾燥する原因とは、外の空気の乾燥とエアコンによる室内の乾燥があげられます。
つまり季節は夏と逆ですが、肌が乾燥する原因は夏とよく似ているといえます。
そして身体の冷えによって血行が悪くなると、肌に栄養が行き渡らずに代謝が落ち、乾燥を防ぐ皮脂の分泌が減ってしまいます。
つまり肌が最も乾燥する冬のケアは、血行を良くするために身体を温める鍋料理が最もおすすめといえます。
動物性ビタミンAのレチノールが豊富に含まれている、冬が旬の魚は「あんこう」です。
あんこうの身は良質なたんぱく質であり、そしてあん肝にはうなぎの数倍ものレチノールが含まれる美肌効果が高い魚なのです。
あんこうは鍋料理にして食べるのが最適なので、飽きが来やすい鍋料理のレパートリーに加えることをおすすめします。
そして植物性ビタミンのAであるβカロテンが豊富な「にんじん」は通年収穫されますが、甘みと栄養価的に見て冬が最も良い時期といわれています。
そしてビタミンCが豊富な「芽キャベツ」は冬が旬であり、また「カリフラワー」も冬が最も美味しく食べられる時期です。
このように冬が最も味が美味しく、かつ栄養価が高い状態で食べることが、冬の乾燥対策に最も効率的といえるでしょう。
まとめ
季節ごとの旬の食べ物による乾燥対策、お分かりいただけたでしょうか。
乾燥に効果的な栄養素を含んでいて、かつ栄養価が高い旬の物を食べることで効率的に改善することができるのです。
また野菜中心の食生活ではなく、健康な肌を作るのに必要なたんぱく質である肉や魚は絶対に欠かさないようにしましょう。
そして基本的にバランスの悪い食事は乾燥の原因になるので、ファストフードやお菓子などは取り過ぎないことも重要です。
ライター名:mitsugu
オリジナルのメディアサイト運営者、兼新米Webライター。
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